卒業後の進路

大学院進学

卒業後のもう一つの進路

 4年次に卒業研究で学ぶ分野をより深く勉強したい、また、高度な研究能力を身につけたいという学生には、大学院進学という道があります。近年、大学院への進学者数が年々増加する傾向にあります。これは機械工学の分野においても、将来独創力に富み、より深く研究・開発能力を持った技術者・研究者が社会的に要求されているためです。

 本学の大学院工学研究科は、多数の各種企業、事務所、研究機関等が集中している京浜、神奈川地区の中心に位置することもあり、研究活動を通して、各分野での学会活動、多くの他研究機関、企業等と積極的に交流を行っており、これまでに数多くの優れた人材を養成して全国の企業、研究機関等に送り出しています。

 大学院機械工学専攻には、大学院博士前期課程(2年間)と大学院博士後期課程(3年間)が用意されており、ここでは、学部よりもさらに高度な専門科目の講義を受けるとともに、指導教員のもとで最先端のテーマを研究します。また、研究成果は、それぞれの関係する各種の全国規模の学会等において積極的に発表しています。多数の学生諸君が積極的に進学し、創造性に富む有為な人材に成長し、社会に大きく貢献することを強く期待しています。

大学院の紹介

 大学院工学研究科は、学部の教育課程を基礎とし、さらに深奥な学術の理論とその応用能力を広い視野に立って学び、同時に研究能力を養うことを目的として開設されました。

 工学研究科の各専攻の中、機械工学専攻では、主としてハイテクノロジー時代の根幹を支える各種機械の開発と生産に携わる高度な技術者と研究者の育成を目指しています。現代のように技術の変革が激しく、周辺技術との複合化やシステム化の度合いが高くなっていく時代では、技術者は日々新たな技術を吸収し、かつ幅広く複数の技術を基本的に理解し、利用できる能力がなければ仕事ができなくなってきています。すなわち、これからの技術者は、スペシャリストであると同時にゼネラリストであることが、企業から強く望まれています。これからの技術環境と社会的要請を背景に、機械工学専攻では基礎を重視し、以下の学問などについて、広い視野に立った教育と研究を行っています。

1 機械を構成する諸材料の物性とその強度に関する学問
(材料学、材料強度学など)
2 機械の能力や効率を支配する熱と流体に関する学問
(熱力学、伝熱工学、流体工学など)
3 力や運動の機能性を付加した優れた機械を構成するための学問
(自動制御、機構・機械力学、油空圧工学、機械設計、メカトロニクスなど)
4 加工や生産の正確さ・速さ・経済性を向上させるための学問
(機械加工学、塑性加工学など)

 また、単に学力の向上だけでなく、研究を通じて、自分でものを深く考え、分析し、総合する思考能力を養い、積極的かつ独創性のある人材を育成することも本専攻の目的の一つにしています。

 さて、現在のような急激な技術革新の時代に対処するのは技術者であり、優秀な技術者を持つことが、企業にとって国内・外の技術競争に生き残り、発展を続けて行くための不可欠の条件です。しかし、大学を出た時点では、だれも企業が必要とする専門的技術を十分に身につけていません。そのため、我が国では、ほとんどの企業が学卒入社後2~3年は技術研修の時期にあて、技術基礎学力(それぞれの専門分野以外に、メカトロニクス、コンピュータなどの関連技術も含めて)の向上に努めています。したがって、これらの教育をある程度まで行う大学院(特に博士前期課程)に対する企業の期待には大変大きなものがあります。したがって、博士前期課程修了者に対する求人も極めて多く、卒業生の多くは希望する職種(企業)に就職しています。大学院修了者に対する企業の需要は、今後ますます増えていくものと予想されます。

 大学院の入学試験は8月と3月の年2回行われますが、8月の入試においては、筆記試験を免除する制度があります。その条件は、

  • 当該年度に大学卒業見込みの者および大学卒業後3年以内の者。
  • 学部前年度終了時点(3月末)における各種課程を除く総取得科目の平均点が75点以上である者、または成績の評価のうちAA、A、秀、優の評価を取得した科目が総取得科目の半数以上である者。

です。なお、詳細については、入試センターあるいは進学希望先研究室の教員までお問い合わせ願います。

 一人でも多くの学生が大学院に入学され、深い学術の理論とその応用能力を身につけるとともに、啓発し合って人間としての視野も広められ、日本の機械工業の将来を担う技術者に育ってほしいと念願します。