研究概要

 


○高密度バイオマスブリケットの燃焼挙動解明

 地球温暖化や化石燃料資源の枯渇の問題から、再生可能エネルギーのひとつとしてバイオマスが注目されています。バイオ

マス燃料は古来よりエネルギー源として利用されており、現在もチップをはじめペレットやブリケットなど圧縮成型した燃料

として利用されています。バイオマス燃料への関心の高まりから、様々なバイオマスを原料とした種々の形態の燃料製造が試

行されていますが、エネルギーを取り出す燃焼の観点から検討された例は多くはありません。当研究室では、燃焼利用の観点

から最適なバイオマス固体燃料の形態や燃焼方式を調べています。

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高密度バイオマスブリケット

        (イタドリバイオコークス)

                                  表面燃焼      有炎燃焼

                                高密度バイオマスブリケット燃焼の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  質量減少速度への周囲空気温度の影響              熱分解物放出挙動

 

 

 高密度固体バイオマスブリケットを全体燃焼した場合、表面燃焼と有炎燃焼の2つの燃焼形態が観察され、着火形態は空気

温度(加熱速度)の影響を受けることが確認された。高密度バイオマスブリケットでは、着火までの加熱履歴が着火後の燃焼速

度に大きく影響を与え、またバイオマスに含まれる水分が熱分解生成物の放出挙動に大きく影響することがわかった。

 

 

○大気圧非平衡プラズマを用いたセルロース熱分解生成物の改質

 熱分解で得られるバイオオイルは、航空機をはじめとした液体燃料や化学原料の代替として期待されており、中でも熱分解

法は装置が簡便かつ低コストでバイオオイルを得ることが出来ます。熱分解法では、急速熱分解などバイオマス加熱履歴を制

御することでバイオオイルの収率増大を図ることが可能ですが、従来はバイオオイルの構成成分組成や割合を能動的に変える

ことは困難でした。当研究室では、セルロースやリグニンなどのバイオマス熱分解にアルゴンなどの非平衡プラズマを供給す

ることにより、熱分解生成物の成分組成制御を試みています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


非平衡プラズマ供給熱分解実験装置の概略

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


熱分解生成物の収率へのガスおよび非平衡プラズマ供給条件の影響

 

セルロース熱分解にArプラズマを供給することにより、ガスおよび回収タール収率が減少し、一方で未回収タールが増加

した。非平衡プラズマを供給することにより低温度での熱分解が促進される可能性が示唆された。非平衡アルゴンプラズマを

供給することにより、熱分解生成物の低分子化が見られた。非平衡水素プラズマを供給すると、プラズマ中の水素割合の増加

に伴いレボグルコサンの収率は増加、CO収率は減少し、CO2収率は増加した。

 

 

○拡散火炎におけるスス生成挙動の解明

 拡散火炎に生成するススは、大気中に放出されると大気汚染物質になりますが、燃焼炉やストーブなどの熱利用機器では重

要な輻射源です。ススの生成機構、挙動については古くから数多くの研究がなされていますが、未解明な部分が多いのが現状

です。当研究室では、スス生成挙動とススからの放射特性の解明を目指し、研究を行っています。

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         通常重力下                     微小重力下

                           LED光源を用いた火炎(スス)のシャドウグラフ

微小重力下のエチレン拡散火炎

 

 LEDおよびレーザを用いた計測により、ススの生成条件と光学特性の関係を調査中である。

 

 

研究業績

 


○ 学術論文

Extinction Limits of Spreading Flames over Wires in Microgravity, S.Takahashi, H.Ito, Y.Nakamura, O.Fujita,

Combustion and Flame, (2013) DOI information: 10.1016, CNF8235.

Ignition Limit of Short-term Overloaded Electric Wire in Microgravity, Y.Takano, O.Fujita, N.Shigeta, Y.Nakamura,

 H.Ito, Proceedings of the Combustion Institute, Volume 34, Issue 2 (2013) pp.2665–2673.

Study on Unsteady Molten Insulation Volume Change during Flame Spreading over Wire Insulation in Microgravity,

 S.Takahashi, H.Takeuchi, H.Ito, Y.Nakamura, O.Fujita, Proceedings of the Combustion Institute, Volume 34, Issue 2

 (2013), pp.2657-2664.

Investigation of Applying DC Electric Field Effect on Carbon Nanotube Synthesis, K.Masunaga, H.Ito, O.Fujita,

 Asia-Pacific Journal of Chemical Engineering, (2012) 10.1002/apj.1687 (8pages).

・固体バイオマスの燃焼研究 - 高圧縮バイオマスブリケットの燃焼特性 -,伊東弘行, 酒井雄人,中原毅朗,井田民男,藤田

, 日本スマートプロセス学会誌, 1巻 第2, (2012) pp.36-43.

・高圧縮固体バイオマス燃料の燃焼利用: Combustion of Highly Densified Solid Biomass Fuel, 伊東弘行, 酒井雄人,井

田民男,藤田修, 日本燃焼学会誌,第53164, (2011) pp.1-6.

Ignition Behavior of Bio-coke (Highly Densified Biomass Fuel) in High-Temperature Air Flows, H.Ito, Y.Sakai, T.Ida,

Y.Nakamura, O.Fujita, Journal of Thermal Science and Technology,Vol.6, No.1 (2011) pp.111-122.

Transition of Flat Flames to Turbulent Motion Induced by External Laser Irradiation, J.S.Park, O.Fujita, Y.Nakamura,

H.Ito, Proc.Combustion Institute Vol.33, Issue 1, (2011) pp.1105-1112.

Ignition of electrical wire insulation with short-term excess electric current in microgravity, O.Fujita, T.Kyono, Y.Kido,

H.Ito, Y.Nakamura, Proc.Combustion Institute Vol.33, Issue2, (2011) pp.2617-2623.

                                                                                   

ほか

 

○学会発表など

・固体バイオマスの燃焼研究−高圧縮バイオマスブリケットの燃焼特性−, 伊東弘行, 酒井雄人,中原毅朗,井田民男,藤田

, 平成25年度 スマートプロセス学会 春季総合学術講演会, (2013) p,5-6.

・微小重力場における電線被覆の過電流連続通電による着火限界, 重田, 伊東,藤田, 26回日本マイクログラビティ応用学

会講演会(九州)講演論文集, (2012) 21A02.

Transient Deformation of Downwards Propagating Cellular Structure Flame in a Combustion Tube with External Laser

Irradiation, K.Aguilar, Y.Taniyama, H.Ito, O.Fujita, 50回燃焼シンポジウム講演論文集, (2012) pp.214-215.

・外部レーザ加熱を伴う管内下方伝播火炎に対する音響振動の影響, 谷山, 伊東,藤田, 50回燃焼シンポジウム講演論文集,

(2012) pp.116-117.

・微小重力環境における噴流拡散火炎からの輻射とすす生成に関する研究, 七澤, 篠塚, 伊東, 藤田, 50回燃焼シンポジウ

ム講演論文集, (2012) pp.280-281.

・微小重力場における電線被覆上燃え拡がり火炎の消炎限界を支配する因子, 高橋, 伊東, 中村, 藤田, 50回燃焼シンポジ

ウム講演論文集, (2012) pp.284-285.

・一様空気流中に置かれたバイオコークス端面燃焼の定常性に関する検討, 中原, 伊東, 藤田, 50回燃焼シンポジウム講演

論文集, (2012) pp.108-109.

・セルロース熱分解における非平衡Arプラズマ供給の影響, 伊東, 根生, 神原, 藤田, 熱工学カンファレンス2012講演論文集,

(2012) pp.477-478.

Study on Opposed Flow Flame Spread over Polyethylene Insulated Wire in Microgravity -Behavior of Molten Insulation

in Flames-, S.Takahashi, H.Takeuchi, H.Ito, Y.Nakamura, O.Fujita, 8th JSME-KSME Thermal and Fluids Engineering

Conference,(2012) GST04-4(on USB).

Effects of DC Electric Field on Catalytic Activity in Carbon Nanotube Synthesis, K.Masunaga, A.Onishi, H.Ito, O.Fujita,

The 14th Asia Pacific Confederation of Chemical Engineering (APCChE 2012), (2012) 228 (on USB).

・バイオコークスブロックの着火および燃焼に関する検討, 伊東, 中原,酒井,井田,藤田, 7回バイオマス科学会議発表論

文集, (2012) pp.150-151.

 

ほか